ご覧くださりありがとうございます。
朝晩涼しくなってきました。
季節の変わり目、ご自愛ください。
さて、今回は奈良萬と國権てふをご紹介しようと思います。
どちらも福島県の地酒です。

奈良萬(ならまん)純米酒
福島県:夢心酒造のお酒

麹米にも麹米にも会津産の五百万石を使用し、精米歩合55%で醸された純米酒。
火入れが2回されています。
夢心酒造さんの定番商品で季節限定酒というわけではないのですが、安定のおいしさで信頼を置いている銘柄なので気に入っています。

穀物っぽさが漂う上立香。
少し枯れ感のある香味があり、柔らかな酸味がのったコクのある味わい。
ホクホクとしていて香ばしく、秋限定酒のようなやや熟成感のある大人っぽさがあります。
落ち着きがあって終始味にブレがなくて、いろいろな食べ物に合わせるのが楽しくなる食中酒です。

苦味は淡く、おしとやかな甘味と共に味を底上げし、いつの間にか現れていた辛さとも綺麗に馴染んだ頃にサラッとキレます。
食べ物と合わせることで化けて、更に旨味が増すタイプのお酒だと思います。
もう一本のお酒です。

國権(こっけん)てふ 純米 生酒
福島県:国権酒造のお酒
日本酒度:+5 酸度:1、4

國権てふシリーズは数々仕入れてきましたが、見慣れない青いラベル・・・。
気になったので見てみたら、別注品とのことで興味を惹かれて注文しました。
飲みやすくスッキリしたイメージのあるこのシリーズですが、味わい深い辛口のお酒に仕上げているそうです。
使われているのは福島県の酒米 夢の香。
精米歩合は80%の純米酒、本生仕様です。

なるほどいつもの國権てふとはやや趣が異なって、わずかに香ばしく且つ透明感のある控えめな上立香。
甘味が控えめで、最初に舌に触れたのが苦味だと感じたことも意外でした。
少しずつ甘味が出てきますが、気持ちの良い苦味は一本の芯のように続いていきます。
口の中での香りはやや香ばしく、上立香を一回り大きくした感じです。

次第に酸味と辛味が出てきて合わさり、味に厚みを作っていきます。
辛さはきつくはありませんが、輪郭を作り締まってスッとキレます。
苦辛い後味。食べ物に合わせやすい味わいです。

二口目以降はさらに甘味が落ち着き、クリアさが増したように感じました。
生酒ですが、フレッシュさよりも安定感がある印象。
気持ちの良い苦味が印象的なお酒です。
今回は福島県が生んだ素晴らしい2本の地酒をご紹介いたしました。
どちらも食べ物に合わせやすいので、お試しいただきたいです。
是非どうぞ。