ご覧くださりありがとうございます。
昨日に引きつづき、
ただいまご用意している燗酒まつりの地酒を
一本ずつご紹介していきます。
また本数が多いですが、
よろしくお付き合いください。

左から
萩乃露・絆・磐城寿・辰泉
醸し人九平次・善き哉・田林
それでは最初のお酒です。。。

萩乃露(はぎのつゆ)
雨垂れ石を穿つ特別純米 十水仕込
滋賀県:福井弥平商店のお酒
日本酒度:-5 酸度:1、6

今回が初入荷の滋賀県の地酒です。
使われているお米は、
麹米に山田錦、掛け米に吟吹雪。
精米歩合は55%と60%です。
長い名前は
『あまだれいしをうがつ』と読みます。

製法にもこだわりがあります。
十水仕込(とみずじこみ)というのは、
現代の製法と比べ少量の水で仕込み、
濃厚な状態で醸造する江戸時代の製法だそうです。

40度に届かないくらいの温かさで味見しましたが、
ビックリするほどおいしかったです。

香りは穏やかで控えめ。
口に入れた途端に味がパーッと広がります。
旨みはきちんとありながら、
綺麗に澄んだ水のような清らかさです。

先日召し上がってくださったお客様も
40度くらいで飲まれましたが、
一口飲まれて驚かれていました。

注文したお酒屋さんでは早くも完売の銘柄。
食べ物との組み合わせとしては、
京都美山の生ゆばや卯の花など、
素朴な味のお料理とも合いそうです。

飲みにくさもないので、
どなたにもお勧めできるお酒です。
つづきまして。。。

絆(きずな) 特別純米酒 無濾過 原酒
千葉県:稲花酒造のお酒
数年ぶりの入荷で
今回で2度目になります。
千葉県で歴史のある酒蔵さん
稲花酒造さんの燗にも向いた地酒です。
使用されているお米は八反錦。
精米歩合は60%。
少し寝かされてからの出荷です。

・・・と、公開されている情報はここまで。
先入観なしで飲んでもらいたいというのが
稲花酒造さんの希望です。

ぬる燗でテイスティングしました。
あんこう肝だらけ鍋のコクのある味とも
バランスがよく合わせやすそうな分厚いしっかり味。

酸味もきいていますが、燗にすることで
こなれて穏やかになります。
終盤は味が締まってきますが、
しっとりとした余韻が心地よいタイプ。

凡庸ではないですが、
個性的すぎません。
味付け濃いめのお料理と一緒にいかがでしょうか?
つづきまして。。。

磐城寿(いわきことぶき) アカガネ 純米酒
山形県:鈴木酒造店 長井蔵のお酒
日本酒度:+2 酸度:1、6
こちらも久しぶりの入荷の磐城寿。
震災前までは福島県の浪江町に
蔵を構えておられた酒蔵さんです。

今回のお酒は岡山県産の雄町が使われた
山廃仕込みの純米酒です。精米歩合は65%。

素晴らしいことに
雑誌のdancyuで124本の中から
“ベスト・オブ・魚酒”に選出されたのだそうです。
当店でも、
魚にあわせて召し上がっていただけたらと思い、
今回仕入れてみました。

雄町のお米が使われていたり、
しばらく貯蔵されてから出荷されているので、
こっくりとした豊富な旨みをお楽しみいただけるお酒。
お米の旨みがしっかりとしていて、
味わい充分です。

燗酒にすると
味により一層の深みが増すと思います。
熱を加えることで酸味が緩み、
ため息の出るおいしさです。
燗酒がお好きな方には
是非とも召し上がっていただきたい
お勧め度合いがかなり高い一本です。
つづきまして。。。

辰泉(たついずみ)
辰ism №3 山廃仕込 特別純米酒 美山錦
福島県:辰泉酒造のお酒
もう何度もリピートしている
辰泉さんの黄色いお酒。
美山錦が使用された山廃のお酒です。
精米歩合は60%。
こちらのページでも度々ご紹介してきましたが、
毎年毎年造られているお酒なのに、
本当に全くぶれることなくハイクオリティーで、
素晴らしい出来栄え!が、毎シーズンな感じです。
これまで入荷した際にも燗酒をお勧めしてきており、
冷酒でも花丸のおいしさなのですが、
燗につけると満開の花丸です。

和豚もち豚のチャーシューやするめ天、
馬肉のユッケやかきバター焼き・ベーコン巻など、
一緒に楽しむお酒として日本酒がピンとこないようなお料理と
相性が良いように思います。
当店ではご用意がありませんが、チョコレートやチーズなど、
洋酒に合いそうなものとも組み合わせられると思います。
個性的ですが、エキセントリックではありません。
あのお酒に似ているというのが思いつかない
他に代えがたい大好きな一本です。
綺麗な琥珀色で、滑らかな舌触り。
味わい深く、まろみがあって・・・
一口でおいしさを実感していただけると思います。
いずれ空になってしまうのが惜しいお酒です。
つづきまして。。。

醸し人九平次 (かもしびとくへいじ)
雄町 純米吟醸 火と月の間に
愛知県:萬乗醸造のお酒
今回が初入荷の愛知県の地酒です。
蔵元さんのホームページがスタイリッシュ。
銘柄だけではなく、
萬乗醸造さんのお酒を扱うのが初めてです。

使用酒米は雄町で、
精米歩合は50%です。

初めて飲みましたが、
終始上品で文句なくおいしいと思いました。
味に芯があって、綺麗なバランスを保ちながら
味が移り変わるような印象です。

雄町で造られたお酒らしいコシのある酒質。
味に広がりがありますが、ダレずに
ちょうど良い頃合いで消えていきます。

蔵元さんのホームページでは
35~45度くらいが
香りと味の調和がとれてお勧めとのこと。

燗酒の温度は十人十色で、
温める温度によって、
酸味や甘みの強弱が変わるようですので、
是非お好みを探してくださいとありました。
温度計をお渡ししている
燗酒まつりにピッタリのお酒です。

蔵元さんお勧めの35~45度というのも
燗の具合としては、
かなり幅が広いと思いますので、
少しずつ味見をしながら
味の変化もお楽しみいただければ
何度もおいしいと思います。
つづきまして。。。

善き哉(よきかな) 純米吟醸酒
福島県:名倉山酒造のお酒
日本酒度:1、4 酸度:1、6
名倉山酒造さんの善き哉というシリーズの中の一本です。
使われているお米は
美山錦と八反錦。
精米歩合は贅沢な50%の純米吟醸です。

スローフードジャパンの燗酒コンテストにて
最高金賞を受賞。
さらには
インターナショナル・ワイン・チャレンジ2015でも
日本酒部門で金メダルを受賞という輝かしい経歴の銘柄です。

40度程度で試飲しましたが、
優しい・穏やか・柔らかいという言葉が
よく似合うように思いました。
香りは落ち着きがあって、
口当たりはほんのりと甘め。
べたつくような甘さではなく、
優しい印象です。

酸味がありながら柔らかさも感じられるのは
それぞれの味のバランスが絶妙だからと思います。
旨み膨らみますが、綺麗で重さはありません。
ゆっくりと穏やかに消えていきます。

雑味がなく、後味には清涼感もあるので、
日本酒を飲み慣れていない方にもお勧めです。
飲み飽きせず、
最後までご堪能いただけると思います。
今回最後のお酒です。。。

田林(でんりん) 生酛 特別純米
宮城県:田中酒造店のお酒

真鶴でもお馴染みの田中酒造店さんのお酒で、
昔ながらの製法で作られている特別純米酒です。
使われているお米は蔵の華。
精米歩合は60%です。

香りは強くなく、華やかさは控えめですが、
ほっこりと素朴で味わい深いタイプのお酒。
茨城県の武勇も素朴さの中に
しっかりバッチリとおいしいイメージなのですが、
武勇のような滋味深いお酒がお好きな方には
特に気に入っていただけるのではないでしょうか?

骨太な旨みと酸がグーンと広がります。
力強いお酒ですが、キレはシャープでさっぱり。
かき料理にもよく合うと思いますし、
もろQなどとも良いと思います。

芳醇ですが、
重くなくて飲み飽きしません。
食べ物と一緒にじっくりとどうぞ。
今回も産地いろいろなお酒が揃いました。
お酒のご紹介文は主観ですので、
ぬる燗くらいでお勧めと書いてあっても、
あくまでもお客さまのお好みの温度で
お酒をお楽しみいただきたいです。
醸し人九平次の蔵元さんがおっしゃるように
お好みは人それぞれ。
ちょっとずつ味見をしながら
飲み進めていただくこともできますし、
お好きなようにお召し上がりください。
次回は近日中に新酒が入荷予定ですので、
そちらのご紹介になると思います。
長くなりましたが、
今回も最後までありがとうございました。